どのような旅行形態にも合うスペインでの休暇プラン

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友人との旅行、カップル旅行、家族旅行、シニア向け旅行、一人旅…。その時々で自分がどのような旅行者属性に該当するかによって、理想的な目的地も大きく異なってきます。そこで本稿では、各人が状況に応じてスペインで完璧な休暇を過ごすためのアイデアをまとめてみました。自分にぴったりの場所がほぼ確実に見つかる国がすぐ近くにあったと気づくはずです。

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グラナダの観光客

友人と一緒に文化と冒険を楽しみ、夕日に乾杯する

友人と一緒の休暇を計画するところですか？ではまず、その旅行の主な動機を明確にする必要があります。娯楽、冒険、文化、リフレッシュの四つの重要な手がかりが、確かな指針を与えてくれます。しかもスペインでは、これらの旅行目的を複数達成できるような行き先を見つけることも可能です。アンダルシア州の一部の県には、友情を心から祝福するような旅行を実現するためのすぐれたオプションが用意されています。その一例がグラナダ県です。シエラ・ネバダ国立公園のゲレンデで一日中スキーを満喫したり、イベリア半島最高峰のムラセン山に登ったりする姿を想像してみましょう。また別の日にはアルハンブラ宮殿を訪れ、アルバイシンにある、のどかなサン・ニコラス展望台から夕日を眺めてみてください。マラガ県を選択した場合、代表的な市内の美術館・博物館を訪れるというオプションがあります。ピカソの生家をはじめ、ポンピドゥーセンター、カルメン・ティッセン美術館、オルタナティブ・スペースとして知られるソーホー地区の現代アートセンターなどがあり、芸術鑑賞を楽しめます。にぎやかな通りを歩き、ビーチフロントでエスペト（イワシの炭焼き）を一緒にほおばった後は、白い村の中に息づく内なる静けさの中に飛び込んでみたくなるかもしれません。ゴルフの愛好家にとってマルベーリャは真の楽園であり、また高級感あふれるプエルト・バヌースはレジャーやショッピングを楽しむのに理想的な場所です。セビージャでは、記念碑的なスペイン広場やマリア・ルイーサ公園といった、街を象徴する場所を馬車に乗って巡る楽しいグループツアーに参加できます。ツアーの後は、トリアナ地区、アラメダ地区、ラ・マカレナ地区など、市内の伝説的な地区に定着しているタパスの食べ歩きの技に没頭するしかありません。ここにはグルメの選択肢が無数に存在するほか、フラメンコのタブラオなど、食事とフラメンコが同時に楽しめる場所もあります。そのうえ、このアンダルシア州の州都には「国際観光名物祭り」に指定されている非常におすすめのフェスティバルが二つあります。春祭りと聖週間です。サーフボード、ウインドサーフィン、カイトサーフィンなどのボードに初めて乗ったときの興奮を再び味わいたい場合は、カディス県の海岸に向かってください。目指すはタリファ、バルバテ、コニルチクラナ・デ・ラ・フロンテーラといった町です。そうした場所に数多く設置されているビーチバーやチルアウトスペースで、海辺ならではの見ごたえある夕日や食後のくつろいだ会話を友人同士で共有してみてはいかがですか？2月にカディス市を訪れる予定の方は、有名なカーニバルの日程を確認してください。カーニバルでは本格的なパフォーマンスが繰り広げられるため、グループで旅行する場合は特に楽しめます。
家族でハイキング

都市への小旅行と自然を家族で楽しむ

子供連れの家族旅行の場合、自然と都市を組み合わせると、成功したも同然です。スペインでは道路や鉄道などの交通インフラが充実しているため、田舎の宿泊施設を選択した場合でも都市部への日帰り旅行が可能ですし、またその逆のケースも楽しめます。無数の子供向けプランを利用できる大都市マドリードに家族とともに降り立ったら、そこから1時間以内で移動できるトレド県の山中に、子供も大人も夢中になれる個性的なテーマパークがあることを知っておくとよいでしょう。この施設はピュイ・デュ・フーと呼ばれています。30ヘクタールのスペースに歴史的な街並みや没入型の見せ物が再現されており、「レジャーと文化を融合させる」という刺激的な方法でスペインの歴史に触れられるようになっています。さらにカスティージャ-ラ・マンチャ州では、興味深い冒険に家族全員で出かけることができます。一方、バレンシア州は、家族旅行のための独自のマークが貼られている場所です。州都バレンシアにある現代文化の象徴、芸術科学都市は必見です。お隣のカステジョン県では、イルタ山脈自然公園を探索し、ペニスコラやアルカラ・デ・シベルト＝アルコセブレといった家族連れにぴったりの目的地を楽しめるほか、特別な体験を計画することもできます。そうした体験のひとつが、ラ・バイ・ドゥイショーにある壮観なサン・ホセ洞窟の見学です。この洞窟では、ヨーロッパ有数の長さを誇る航行可能な地下河川を舞台に、透明な水の流れに沿ってボートかカヤック（対象年齢8歳以上）で探検し、川を取り囲む印象的な地層をじっくりと観賞することができます。
サンティアゴ巡礼の道の巡礼者

五感だけを使ってスペイン北部を楽しむ

同行者なしで旅行すると、訪問先の文化や地理のさらに奥深くへと分け入ることができます。風景を眺めたり地元の人と会話したりすることは刺激的な学びになります。繰り返しになりますが、自分の追い求める目的（ひらめき、くつろぎ、スポーツなど）によって、スペインの理想の一人旅ルートが決まります。そして帰国の際は、たっぷりのエクスペリエンスが詰まったスーツケースを持ち帰ることになるはずです。スペイン北部を占めるグリーンスペインは、一人でも充実した休暇を過ごせる場所のひとつといえるでしょう。そこには、バスク州、カンタブリア州、アストゥリアス州、ガリシア州という多様な特性をもつ地域を訪問する機会が設けられています。同時に、こうした地域は、海と山から構成されるのどかな自然環境を共有しています。その一例が「サンティアゴ巡礼の道」の「北の道」です。ガリシア州の州都サンティアゴ・デ・コンポステーラをゴール地点とするこのルートは、徒歩でも自転車でもたどることができます。一人でのドライブ旅行におすすめなのがアラゴン州です。同州には、歴史、文化、自然、冒険が同時に楽しめる16本のドライブルートが整備されています。この取り組みは「スロードライビング」として知られているもので、各ルートには「手つかずのピレネー山脈」「テルエルの魔法の一角」「アラゴンのトスカーナ」といった暗示的な名が付けられています。
バザルーのローマ橋にいるカップル

イベリア半島中央を東から西へ

弾丸小旅行でパートナーを驚かせる。そして、「一緒に旅行に行き、思い出を残す」という共通の夢をかなえる。スペインには、この両方の期待を同時に実現しうるだけの魅力があります。ロマンスを堪能できる空間がスペイン全土のあらゆる要所に設けられているためです。そのため、一口に「カップルで過ごす休暇に理想の目的地」といっても、さまざまなタイプが存在します。都市部、山、太陽とビーチ、内陸部…。数ある選択肢の中でも、サラマンカ市はカップルで旅行するのに最適な場所のひとつです。ここでは、青春時代の恋愛感情を改めて思い起こすことができます。大学の街ならではの独特の雰囲気に浸ることも、ユネスコの世界遺産に登録されている、印象深い歴史地区を散策することも、カリストとメリベアの農園のような伝説が残る街角を発見することも、今回のカップル旅行のほんの始まりに過ぎません。ちなみにこの農園（庭園）は、15世紀のスペイン文学の象徴的作品『ラ・セレスティーナ』において、物語の主人公である恋人たちが逢瀬を重ねていたと言われる場所です。イベリア半島の東、コスタ・ブラバにあるジローナ県では、バザルーをはじめとする中世の村々に心奪われてしまうでしょう。トッサ・デル・マルの石畳の通りやほぼ原形をとどめる城壁は実に美しく、カレーリャ・ダ・パラフルジェイの入り江は透き通った水をたたえています。いくつかの目的地では、芸術家らがロマンチックなインスピレーションを形に表したものが見つかります。サルバドール・ダリが彼のミューズであるガラに贈った城はその一例で、プボールに行くと見学できます。
ビーチにいるシニア世代のカップル

シニアの旅行者が快適に旅行できるスペインの目的地

それぞれの年齢に見合った恩恵というものがあります。年を重ねるということは間違いなく、知恵を蓄えるということだけでなく、いつでも自由に休暇を計画できるということも意味します。これは、仕事や勉強によってしばしば制限を受けるということがなくなるためです。スペインの快適な気象条件と多様な景観のおかげで、この国はシニアの旅行者にとっての理想の目的地となっています。カナリア諸島全域、バレアレス諸島のマヨルカ島とメノルカ島、そして人気の町ベニドルムが属するアリカンテ県などの地域には、ベテランの旅行者を受け入れてきた長い伝統があるため、彼らを対象としたサービスも完備されています。これに加え、一連の温泉療養リゾートや観光パラドールも充実しています。これらの施設は全国に展開しており、ウェルネス目的の休暇を計画する際の格好の選択肢となっています。「過去へタイムスリップするような感覚」と「最上級のエレガンスや快適さ」を同時に味わいながらスペイン各地を訪れる、というプランをお探しなら、豪華列車の旅を選ぶことをおすすめします。たとえば、北部を走るトランスカンタブリコ号やその急行版であるコスタ・ベルデ号、ビルバオとレオンを結ぶロブラ急行列車、アンダルシア州の各地を回るアル・アンダルス号などを利用できます。