マドリード、エル・エスコリアルおよびアランフエス
以下で詳しく見ていくことになる重要な遺産はマドリード州にあります。首都マドリードを代表する空間のひとつが、歴史的複合施設である王宮です。18世紀にフェリペ5世の命を受けて建設されたもので、現在のスペイン国王夫妻が出席する公式行事は基本的にここで執り行われます。そのたもとにはカンポ・デル・モロの庭園があります。20ヘクタールを超えるこの「緑のオアシス」は年間を通じて無料開放されています。王宮の正面、オリエンテ広場の片側にはラ・エンカルナシオン王立修道院が、またオペラ広場のほど近くには王立デスカルサス・レアレス修道院があります。いずれも16・17世紀のスペイン・ハプスブルク王朝を象徴する建築物です。王室お抱えの建築家フアン・ゴメス・デ・モラの代表作のひとつが王立サンタ・イサベル修道院です。これとは別に、マドリードで必見の至宝を挙げるなら、それは間違いなくサン・アントニオ・デ・ラ・フロリダ礼拝堂になるでしょう。フランシスコ・デ・ゴヤのフレスコ画で彩られたこの礼拝堂には、この有名な画家自身が埋葬されています。スペイン霊廟では、王立アトーチャ・バシリカ教会堂の隣に、ホセ・カナレハス、サガスタ、カノバス・デル・カスティージョといった著名なスペイン人が埋葬されています。