雪が積もったラ・グランハ・デ・サン・イルデフォンソ宮殿の庭園。セゴビア

冬のスペイン

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寒さに負けない観光プラン


12月22日頃から3月21日頃までの冬の期間は、多くの理由から、スペイン旅行に適した時期とされています。まず第一に、冬の代表要素をすべて楽しむことができる上に、ほとんど常に天気が良く、通常の極端な気温や頻繁な雨はありません。気温が下がり、雪を楽しんだり、ウィンタースポーツをすることができ、体が温まる料理を堪能することができます。また、いつもと違った春らしい冬を過ごしたいなら、カナリア諸島を訪れ、年間平均気温24度の気候を利用して、ビーチで快適な数日間を過ごすことができます。この季節は魅力的な伝統行事が目白押しです。楽しいカーニバルからクリスマスや聖週間まであるのです。ちなみに、聖週間は冬から春にかけて開催されることが多いイベントです。ここでは、冬にスペインに旅行する理由のいくつかをご紹介します。

大都会での都市観光

この数か月間、マドリードバルセロナビルバオバレンシアセビージャマラガなどの大都市はイベントで埋め尽くされます。この冬は大都市を訪れて、マドリードのグラン・ビア劇場でのミュージカル鑑賞、バルセロナでのバルサのサッカー観戦、ビルバオのグッゲンハイム美術館での最新の展覧会、バレンシアの芸術宮殿でのオペラ鑑賞、セビージャのタブラオでのフラメンコショー、ピカソの故郷マラガのピカソ美術館での企画展での作品鑑賞を含む、ほぼ無限のレジャーの可能性を提供する主要モニュメントのツアーを制覇してみてください。さらに、これらの都市にはすべて国際空港があり、ほとんどの都市には高速鉄道が通っています。

バルセロナのバトリョ邸

カナリア諸島へ飛ぶ。冬の平均気温は24℃

イベリア半島の南西に位置するこれらの島々(マドリードから飛行機で3時間弱)は、世界でも有数の優れた気候を誇る場所です。平均気温は24℃前後で、冬でも半袖で快適に過ごすことができます。天候に恵まれているため、真冬でも4つの国立公園の景観を楽しむことができます。また、12月31日には美しいビーチで泳いで1年の終わりを迎えるなど、通常とは異なる体験をすることができます。

ラ・パルマ島のビーチ

甘いクリスマスを過ごす

11月下旬以降、スペインでは早くもクリスマスの雰囲気が漂いはじめます。通りは多数のイルミネーションとライト付きの大きなクリスマスツリーで飾られ、多くの都市の広場では、あらゆる種類の代表製品を集めたストリートマーケットやアイススケートリンクが設置されます。クリスマスをスペインで過ごすことに決めたなら、スペインならではの行事を体験することができるでしょう。巨大なベレン(キリスト降誕の場面を表現したもの)を見たり、有名なマラソン大会であるサン・シルベストレ・バジェカーナに参加したり、12月31日(大晦日)の真夜中、12回の鐘の音に合わせて12粒のブドウを食べながら新年を迎えたり、1月6日に東方の三博士からプレゼントを受け取ったり…。ところで、なぜ「甘いクリスマス」と言うのかご存知ですか?それは、トゥロンやポルボローネ、マジパンなどのスイーツはクリスマスに不可欠だからです。

クリスマスのマドリッドのプエルタ・デル・ソル

買い物に出掛けてセールを最大限に活用

ショッピングがお好きな方に重要なお知らせです。スペインでは、冬が、セールの主な開催時期になっています。通常、1月7日にセールがスタートしますが、マドリードやいくつかの都市では開始日が前倒しされ、場所によっては1月1日に始まるところもあります。スペイン内でも場所によりセールの期間が異なり、3月末まで続くところもあります。

マドリードで息抜き

カップルでの旅行は

いかがですか。2月14日はバレンタインデーですから、これを機にカップルでスペイン旅行に出かけてみるのはいかがでしょう。特にロマンティックな体験をご紹介します。お好みにもよりますが、次のようなプランなら、ほぼ間違いないはずです。セビージャの旧市街を馬車で走る、雪化粧をしたグラナダのアルハンブラ宮殿の前で夕日を眺める、王宮を前にして夜の散歩を楽しむ、城や宮殿に宿泊する(パラドールの多くはモニュメントを改装したものです)といったアイデアのほか、アインサアルバラシンロンダのような魅力的な村を訪れ、カントリーハウスや居心地の良い小さなホテルに置かれた暖炉の前で寄り添って暖を取る、といったアイデアもあり、数えればきりがありません。

グラナダのアルハンブラ

最も伝統的な2つの祭りに参加する

ここで紹介する正反対の2つの行事は知っておいて損はありません。2月には、楽しい時間を過ごすことを目的としたカーニバルがスペイン全土で祝われます。仮装、ユーモア、色彩、そして街中で多くの喜びが生まれる時でもあります。なかでも、サンタ・クルス・デ・テネリフェ(カナリア諸島州テネリフェ島)、カディス(アンダルシア州)、アギラス(ムルシア州)、シンソ・デ・リミア(ガリシア州オウレンセ県)などのカーニバルが人気です。そしてその後(3月末から4月にかけて)、セマナ・サンタ(聖週間)が祝われます。これはスペインで最も深く根付いたお祭りのひとつで、情熱的な宗教的パレードや太鼓の音が街中に響き渡ります。アンダルシア、アラゴン、カスティージャ・イ・レオン、カスティージャ=ラ・マンチャ、カンタブリア、バレンシア、ムルシアでのお祭りは特に有名です。

サンタ・クルス・デ・テネリフェのカーニバル

冬の自然を楽しむ

「春は花の季節」と、誰もが幼いころから習ってきました。しかし、これが通用しない場合もあります。スペインでもっとも美しい開花風景のうちの二つは、冬に現れるからです。一つは、ガリシアでは何百種類ものツバキが栽培されており、ルビアンス(ポンテベドラ県ビラガルシア・デ・アロウサ)やサン・ロレンソ(ア・コルーニャ県サンティアゴ・デ・コンポステーラ)などの典型的な家の庭を色鮮やかに彩っています。2つ目は、2月の初めにマヨルカ島で開花する何千本ものアーモンドの木です。また、バレアレス諸島の静けさを堪能するにも適した時期です。自然界の冬の風景といえば雪山が挙げられます。ピレネー山脈(アラゴン州、カタルーニャ州、ナバーラ州)やシエラ・ネバダ(アンダルシア州グラナダ県)といった場所に見られるものですが、こうした場所はほんの一例にすぎません。さらに、スノー スポーツを楽しめる重要な スキー リゾート もあります。

マヨルカ島のアーモンドの花

体の芯から暖まる

美味しいチュロスとホットチョコレートを味わうことなく冬のスペインを去るわけにはいきません。最近では、チュロスとホットチョコレートを提供する魅力的なカフェの数は増える一方です。しかし、スペインの冬の食べ物といえば、焼き栗やボリューミーな美味しい料理も忘れてはなりません。代表的な料理としては、マドリードのコシードアストゥリアスのファバーダガリシアのスープカタルーニャのエスクデージャなどがあります。また、特定の製品に特化したフェスティバルまで存在し、たとえばベンビブレ(レオン県)ではボティージョ称賛祭が開催されます。ぜひお試しください。

チョコレートとチュロス
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