バレンシア州バレンシアでパエリアを堪能する観光客

2024年、スペインで絶対に訪れたいイベント

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スペインに旅行するための納得のいく理由を見つけることは簡単です。本稿では、2024年の注目イベントをいくつかご紹介します。今後数か月以内にスペイン旅行に出かけたくなることでしょう。さっそくスペインへの訪問を計画し、以下のようなユニークなイベントを満喫しましょう。  

  • バスク州エルナーニにあるチジーダ・レク美術館

    エドゥアルド・チジーダ百周年

    エドゥアルド・チジーダは、20世紀を代表する、世界的に有名で影響力のあるスペイン人芸術家です。2024年に生誕百周年を迎えるのを記念して、幅広いイベントが実施される予定です。展覧会、コンサート、視聴覚プロジェクト、教育プロジェクトが、今回の祝典の一環として行われます。そしてこの祝典の目的は、バスク出身の彫刻家チジーダの作品をあらゆる年齢層の人々に広めることにあります。一連のイベントの出だしを飾るのが、ギプスコア県エルナーニチジーダ・レク美術館で開催される、複数の芸術家の作品を集めた「マーグの世界」展です。同時に、「エドゥアルド・チジーダ。空間内の構築」展もアビレス(アストゥリアス州)の文化センターにて開催されます。これに続いて、ほかにも注目すべき展覧会が目白押しです。「チジーダとバレンシアガ。形を折りたたむ」展がゲタリアクリストバル・バレンシアガ博物館で、「チジーダ=オルテガ・ムニョス」展がビルバオ美術館で、ある個展がメノルカの「ハウザー&ワース」ギャラリーで、それぞれ開催されます。ちなみにメノルカは、芸術家チジーダが芸術活動を行うとともに、いくつもの夏を家族とともに過ごした島です。 『チジーダ礼賛』の初演も控えています。『チジーダ礼賛』は彫刻家チジーダに敬意を表して作曲されたクラシック音楽の交響曲で、バスク州立管弦楽団が今コンサートシーズンの曲目のひとつとして演奏する予定です。さらに、サン・セバスティアンでは彫刻と音楽のツアーも催行され、芸術家チジーダの『風の櫛』や『フレミング記念碑』といった象徴的な作品の数々を巡ることができます。

  • バレンシア州バレンシアのビルヘン広場の噴水にいる観光客

    バレンシア:2024年の欧州グリーン首都

    持続可能性への献身的な取り組みにより、バレ​​ンシア市は「2024年の欧州グリーン首都」の称号を手に入れました。「欧州グリーンディール」、欧州連合の「2030年生物多様性戦略」、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」などに沿ったプロジェクトを通じて、同市が住民と観光客の「環境」および「生活の質」の向上に注力してきたことが高く評価されたためです。バレンシアは、2030年に「気候中立でスマートな都市」に生まれ変わるための先駆的な取り組みを行うとともに、持続可能な都市開発モデルを推進しています。さっそく訪れてみませんか?

  • カスティージャ-ラ・マンチャ州トレドのサンタ・マリア大聖堂

    トレド大聖堂八百周年記念行事がスタート

    トレド大聖堂では、800周年記念行事の開催が幕を開けます。こうした一連の行事は2026年まで続けられる予定です。今年は、大聖堂の光で彩られた「トレド大聖堂のルミナ」が披露されます。これは、芸術と光と音を組み合わせた、夜間に行われる文化イベントです。没入型エクスペリエンスを提供するこの複雑なプロジェクトに取り組んできたのが、文化領域と技術革新のエキスパートらです。この作品を通じて、13世紀に建立されたトレド大聖堂の歴史と芸術遺産を巡る、すてきな旅に出ることができます。質の高い投影と見事な照明・音響効果のおかげで、この寺院に宿る、普段なら気付かないような細かい芸術を発見することができるでしょう。

  • アストゥリアス州にて、グラスにシードルを独自の方法で注ぐ様子

    オビエド:2024年のスペインガストロノミー首都

    今回、グルメの中心地に選ばれたのは、スペイン北部にあるアストゥリアス州とその州都オビエドです。この都市がスペインの人々の味覚を虜にしてしまう理由を、これから一年間かけて探ってみませんか。ここでは、ファバーダ、カチョポ、100種類のチーズ、カンタブリア海で獲れた魚介類、有名なシードルなど、おいしい料理を堪能できます。 アストゥリアスへの訪問をまだ検討したことがないという方にとって、2024年は間違いなく理想的な年になるでしょう。州都オビエドでは、特にフォンタン市場といった象徴的な場所でイベントやガストロノミーフェアが多数開催されます。最近では、この地域に高速鉄道が延伸開業したことで、移動も便利になりました。 

  • ビルバオにあるグッゲンハイム美術館の空撮

    世界ランキングで上位に入る目的地

    もう一点、取り上げましょう。権威ある旅行ガイドブック「ロンリープラネット」が発表した「ベスト・イン・トラベル2024」の持続可能な場所ランキングで、スペインがトップに輝いたことをご存知ですか?この名誉ある地位を獲得するに至ったのも、再生可能エネルギーの利用拡大、季節変動の平準化、目的地の多様化といった取り組みが評価されたためです。しかも、入賞したのはスペインだけではありません。今年はバスク州もまた、地域部門で5位を占めています。この州では、「美しい景観」「文化や前衛の再変換」「伝統料理や地元名物ピンチョスをも包摂する革新的なグルメ」の絶妙なコンビネーションが見られます。ほかにも、旅行のトレンドを紹介する重要な媒体において、スペインが2024年の人気の目的地としてランクインしています。たとえば、オンライン予約ポータルサイト「ブッキング・ドットコム」が実施した「2024年の旅行トレンド予測」に関する調査によると、世界中の観光客が今年訪れたい場所として選んだのはガリシア州ポンテベドラでした。スペイン北西部にあるポンテベドラ地域は、世界中の8万5千か所を超える目的地のなかから一位に選ばれたことになります。その理由を知りたければ、この土地を訪問するのがいちばんです。