完全なルートは6つのセクションで構成されている。全ルートを制覇することもできますし、より興味のある行程だけを選ぶのもよいでしょう。
このルートには車を使用するのがおすすめで、また、ルート上にある各目的地はそれぞれ一見の価値があります。これらすべての目的地が共通の過去と非常に似通った歴史をもっており、それらは中世の路地、いくつもの宮殿、寺院、修道院、城などから明らかに見て取ることができます。とはいえ、それぞれの町にその町らしさがあり、その町特有の魅力がそなわっています。旅を始めてすぐに、そのことに気が付くことでしょう。
このコースは、コスタ・バスカの中心地、オンダリビア(ギプスコア県)があるバスク州から出発します。特に、そこで感じる潮風、近くに広がるビーチの数々、国際的に知られるグルメなどには驚かずにいられません。同じ地方でも内陸部に分け入ると、アラバ県にラグアルディアがあります。いったん旅の足を止め、この町の歴史地区を散策したり、リオハ・アラベサという原産地呼称に認定されており世界的な名声を博しているワインのいくつかを味わったりしてみましょう。そこからわずか60キロメートルの場所に、エステージャ(別名リサーラ)へと続く、また別の見逃せない経由地があります。ナバーラ州のこの場所では、個人またはグループで、バックパックを重たそうに背負っていく巡礼者たちに出会う可能性が極めて高いでしょう。驚かないでくださいね。というのもこのあたりは、ヨーロッパ随一の文化的ルートであり、さらにはユネスコの世界遺産にも登録されているサンティアゴ巡礼の道が通っているからです。

ここから、ルートはカスティージャの地へと入り込んでいきます。まず、 アルマザン、 ソリア県、 カスティーリャ・イ・レオン州、ドゥエロ川とその広大な農地がある。この町の最も優れた特徴のひとつは、旧市街を囲む中世の城壁で、12世紀から13世紀にかけて建設された。ルートはカスティージャ-ラ・マンチャ州へと続きます。シグエンサ(グアダラハラ県)では、中世の騎士たちの生活がどのようなものだったのかを深く知ることができるでしょう。なぜなら、およそ千年も前のこと、エル・シッド・カンペアドールというスペインの歴史上の伝説の英雄が、このあたりを通ったからです。

このルートは、エクストレマドゥーラ州の自治体であるバレンシア・デ・アルカンタラ(カセレス県)でゴールを迎えます。この町は、ポルトガルとの国境から数キロメートル以内に位置しています。国内有数の魅力的で保存状態の良いゴシック・ユダヤ人地区を歩いたり、ヨーロッパでも特に傑出した巨石群を構成する支石墓を見学したりできます。さらに、その田園地帯はこの地域の肺のひとつと考えられている。この町から100キロメートルも離れていない地点には、スペインを南から北へと結ぶもうひとつのおすすめルート、銀の道が走っています。見どころは山ほどあります。そう思いませんか?上記の町の一つひとつで中世への感動的なタイムスリップを体験し、その歴史や伝統を学び、それらを取り巻く自然空間をかみしめながら、スペインをめぐるこの文化的なアドベンチャーをお楽しみください。すべての見どころを回れなかったとしても、どうぞご心配なく。またのお越しをお待ちしております。
