ビルバオ・グッゲンハイム美術館。ビルバオ

スペインのユネスコ創造都市5選:創造力が主役

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豊かな文化遺産ゆえに記憶に残る場所もあれば、訪れたときに湧き起こる感情によって心に刻まれる場所もあります。広場に響く歌に思わず聞き惚れてしまう街。石畳の路地にひっそりと佇む書店に心を奪われる街。何世代にもわたって受け継がれてきた一皿を前に、時をさかのぼったような感覚を味わえる街もあります。あるいは、どんな歴史書よりも雄弁に過去を物語るファサードに見入る街もあります。スペインの魅力は、数々の素晴らしいモニュメントだけではありません。スペインの都市や町は、食文化、音楽、文学、映画、建築、デザインなどを通して創造性が表現される、生き生きとした場所です。スペインは、各地を巡る一歩一歩の中で、文化をひとつの体験として発見できる国なのです。「ユネスコ創造都市ネットワーク」は、自らのアイデンティティの保全、文化活動の充実、国際的な発信のために創造性を生かしている都市を認定しています。この国際ネットワークに加盟するスペインの5都市をご紹介します。定番の観光コースを離れて、創造性が日常に息づく街で文化に触れるための、5つの異なる方法をご案内します。

  • バルセロナ。ゴシック地区

    バルセロナ、本と文学ルートを巡れる街

    バルセロナは世界有数の出版都市です。それを実感するには、ゴシック地区やエル・ボルン地区を歩いてみるだけで十分です。新刊が並ぶショーウィンドウ、何十年もの歴史を持つ店、小説から抜け出してきたような一角に出会えます。バルセロナの楽しみ方この街では、街を代表する書店を巡ってみましょう。なかでも、1860年創業のファブレは市内最古の書店です。サン・アントニ市場の古書露店を訪れるのもおすすめです。エドゥアルド・メンドーサやカルロス・ルイス・サフォンといった作家の足跡をたどり、作品の着想源となった場所を巡るのもよいでしょう。4月にバルセロナを訪れるなら、ぜひサン・ジョルディの日を体験してみてください。通りにはバラや本があふれ、さまざまな文化イベントが行われ、街全体が大きな本の祭典に包まれます。旅をさらに楽しむならサグラダ・ファミリアやカサ・バトリョなど、アントニ・ガウディのモデルニスモ建築を鑑賞しましょう。サンタ・カテリーナ市場など、活気あふれる食の市場も楽しみましょう。地中海屈指の活気ある文化シーンにも触れてみてください。

  • ビルバオの旧市街地

    ビルバオ、デザインによって生まれ変わった街

    ほんの数十年前まで、ビルバオは工業都市としての景観が色濃く残る街でした。そうしたかつての姿とは対照的に、現在のビルバオは、過去の記憶を消すことなく創造性によって都市を再生した、最も印象的な例の一つとなっています。広い遊歩道や大通り、公園を巡り、ネルビオン川の入り江沿いも歩いてみましょう。前衛的なビルバオ・グッゲンハイム美術館とその周辺に集まるアートギャラリーから、アスクナ・セントロア=アルオンディガのように文化施設へと生まれ変わったかつての工業施設まで、伝統と革新が絶えず対話する街の姿に出会えます。それらすべてが、街全体を、まるで屋外に広がるデザインのカタログのように形作っています。大規模な彫刻、前衛的なデザインの橋、現代建築が、伝統と現代性が自然に共存する街並みを形作っています。旅をさらに楽しむなら旧市街でピンチョスを味わったら、バスク海岸まで足を延ばし、断崖やビーチ、ゲチョ、サントゥルツィ、プレンツィアなどの港町を訪ねてみましょう。

  • テラサ。バルセロナ県。サン・ジョルディ公園

    テラサ、映画の街

    まるで映画の撮影のために生まれたかのような場所もあります。テラサでは、古い工場や歴史的建造物、モデルニスモ様式のアレグレ・デ・サグレラ邸博物館、パスクアル・サラ倉庫といった広大な産業施設が、数多くの映画やテレビ作品のロケ地となってきました。ここでは、フィクション作品の制作に使われる5万平方メートル超の施設、カタルーニャ・オーディオビジュアル・パークも訪れることができます。これは、20世紀半ばに建てられた医療施設、旧トラックス病院を活用して整備されたものです。市内には、ロケ地を巡り、制作作品にまつわる興味深いエピソードを知り、日常の空間が映画の舞台へと変わる様子を楽しめる、さまざまなルートもあります。旅をさらに楽しむなら数キロ足を延ばせば、そこにはサン・ジョレンツ・デル・ムント・イ・ロバク自然公園が待っています。赤みを帯びた礫岩の断崖や一枚岩が松林やカシ林の緑と鮮やかなコントラストをなす、壮大な景観が広がります。この自然公園の名前の由来となった11世紀のロマネスク様式の修道院も、ぜひルートに加えてみてください。

  • スペイン広場。フラメンコダンサー。セビリア

    セビージャ - セビリア:耳で感じる街

    アンダルシア州の州都は、目で、香りで、そして音でも感じられる街です。花に彩られたパティオに響くギターの音、街のあちこちに活気を添える人々の会話、そして夕暮れ時に通りを満たす力強いざわめき。こうした音に耳を傾けると、セビリアという街をより深く理解できます。そんな街の音の中でも、フラメンコは欠かせない存在です。フラメンコを実際に体感する方法はたくさんあります。その一つが、セビリア最古のタブラオ、エル・パティオ・セビジャーノです。1952年創業で、これまでフラメンコ界を代表する多くのスターがその舞台に立ってきました。旅の時期がこの大都市で開かれる主要な音楽イベントと重なれば、体験はいっそう特別なものになります。見逃せないイベントには、ビエナル・デ・フラメンコや、多彩なジャンルのアーティストが出演するフェスティバル・イコニカ・サンタルシア・セビリアがあります。旅をさらに楽しむならヒラルダやレアル・アルカサル、セビリアをスペイン屈指の個性豊かな旅先にしている歴史地区の魅力を楽しみましょう。

  • デニア港

    デニア、一皿に盛られた地中海

    デニアでは、創造性を目で、香りで、そして何より味覚で感じられます。ここでは、ガストロノミーが土地の魅力を伝え理解する手段であるとともに、伝統を守り、優れた食材から新たな価値を生み出す方法でもあります。市営市場を訪れたり、漁師町の風情が残るバイシュ・ラ・マル地区を歩いたり、港を眺めながら名物の赤エビを味わったりすることで、デニアならではの食文化に触れられます。その食の伝統に触れ、漁業ツーリズムを実際に体験するなら、魚市場を訪れてみましょう。毎朝新鮮な魚介が届き、競りにかけられます。市場やレストラン、漁業の営みの随所から、デニアと地中海の深いつながりを感じることができます。旅をさらに楽しむならビーチでくつろぎ、海岸沿いを船で巡り、モンゴ自然公園に登って高台から海を眺めてみましょう。

スペインのユネスコ創造都市の街並みを歩き、食を味わい、音楽や建築、映画に心を動かされ、帰国した後も長く心に残る体験を楽しんでください。このネットワークに加盟するその他の都市と文化事業は、スペイン観光公式サイトでご覧いただけます。

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