SUPボードの上でヨガをする女性

スペインで一年中ブルー・ツーリズムを楽しむための、おすすめエクスペリエンス

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8,000キロメートル近い海岸線、地中海・カンタブリア海・大西洋といった多様な海、3,500か所を超えるビーチがあるおかげで、スペインは、あらゆる種類のウォーターアクティビティを海洋環境の下で楽しむのに絶好の目的地となっています。ブルー・ツーリズムの主たる目的に合致するプランが多数用意されています。その目的とは、夏だけでなく一年中いつでも、スペインの海岸・海洋の持続可能性および保全を大切にする、というものです。

  • アルメリア県にあるタベルナス砂漠での撮影風景

    カボ・デ・ガタにある崖のそばでホーストレッキング

    地中海に面した砂丘の中や崖のそばを馬に乗って散歩する姿を想像してみませんか?カボ・デ・ガタ=ニハル自然公園なら、そうした夢を実現することができます。アルメリア県(アンダルシア州)の海岸に位置するこの壮大な自然保護区には、さまざまな乗馬学校があり、象徴的なエリアを通りながら乗馬ルートを楽しむことができます。サン・ホセの町、ロス・ヘノベセス・ビーチモンスルの入り江(複数の大作映画のロケ地となったことで有名)、ロス・エスクジョスの断崖などは、このすばらしいホーストレッキングルートの通過点の一部にすぎません。このコースは家族や友人と、または一人でも、一年を通して楽しめるものとなっているほか、鞍(くら)に座るのが初めてという方を対象に入門クラスも開講されています。

  • アトラス山脈を背にジブラルタル海峡を泳ぐマッコウクジラ

    ジブラルタル海峡を泳ぐイルカ、シャチおよびクジラ

    スペインの海岸に生息する海洋動物を観察したい場合、ジブラルタル海峡周辺での鯨類ウォッチングもまた、アンダルシアの海岸で体験できるブルー・ツーリズムのアクティビティのひとつです。ジブラルタル海峡はスペインでも指折りの鯨類ウォッチングスポットであり、タリファ、ソトグランデ、アルヘシラス(いずれもカディス県)の各港から出発するツアーもあります。ツアーには、豊富な経験をもつ生物学者兼ガイドが同行します。クジラやイルカ、マッコウクジラ、シャチを間近で観察するのに最適な季節は春と夏です。

  • アロ・ビーチのハイカー。ジローナ県コスタ・ブラバ

    コスタ・ブラバ沿いに伸びる、長さ43キロメートルの「ロンダの道」を踏破

    海辺沿いでのハイキングをご希望の場合、歩きやすい靴と軽量のバックパックさえあれば、コスタ・ブラバの雄大な生態系を順を追って探索することが可能です。「ロンダの道」と呼ばれるこの直線ルートの長さは43キロメートルにも及びます。ルートはジローナ県(カタルーニャ州)の貴重な沿岸地域を縁取るように走っており、サン・フェリウ・ダ・ギショルスの町とバグールの町を結んでいます。歩くペースに応じて、2日間または3日間かけてコースを踏破することもできます。「ロンダの道」では年間を通してハイキングを実践できるものの、暖かい季節には、歩行、そして透き通った海でのゆったりとした海水浴を交互に楽しむことができます。なにしろこの道は、コスタ・ブラバを代表するビーチや入り江を横切るルートなのですから。

  • ガリシアの漁船

    ガリシアで貝類の採取方法について学ぶ

    海の恵みを使った豊かなガリシアグルメを堪能するには、食材の原産地を知るとともに、自然環境を損なうことなく食材を入手する方法についても知ることが重要です。そのため、おいしい魚介類を味わうのにおすすめの目的地であるガリシア州には、その海洋文化に関連したプランが用意されています。たとえば、漁がある日に漁師に同行する、卸売市場での「せり」を見学する、ムール貝の養殖かごをボートで巡る、ザルガイやハマグリ、マテ貝が浜辺でどのように「養殖」されているのかについて海女(あま)さん本人から説明してもらう、といったプランです。こうした選択肢に加え、船上でのテイスティング、プルポ・ア・フェイラといったガリシア料理の典型的な品の調理など、さまざまな体験ができます。また、経験豊富な漁師が同乗するツアーに参加し、持続可能なスポーツフィッシングを試してみることもできます。漁師からは、スポーツフィッシングというアクティビティを種の保護を妨げることなく楽しむ方法について説明がなされます。

  • サン・ビセンテ・デ・ラ・バルケラ・ビーチ(カンタブリア)にいるサーファー

    ウォータースポーツと人気上昇中のパラサーフィンをカンタブリア海岸で楽しむ

    もうおわかりでしょうが、ブルー・ツーリズムを満喫したいという方を対象に、スペインには前述のとおりさまざまなプランが用意されているほか、想像しうる限りのあらゆるマリンスポーツを実践する場も提供されています。十数か所ある海洋保護区内でダイビングやシュノーケリングをしたり、カヌーやカヤックを漕いだり、好風を利用してセーリングやウインドサーフィン、カイトサーフィンを楽しんだり。そしてもちろん、サーフィンも外せません。 カディス県(アンダルシア州)、ランサロテ島、テネリフェ島、ラス・パルマス県(カナリア諸島州)など、サーフィンにうってつけの目的地はもとより、スペイン北部もまた、どのようなレベルのサーファーにとっても最適な選択肢のひとつです。スペイン北部の海岸ならではの波のおかげで、経験豊富なサーファーも、はたまたボードやボディボードの上でバランスを取る方法を身に着けたいという方も、誰もがこのスポーツを楽しむことができるのです。サーフィンスポットの多くはカンタブリア州に集中しているものの、ガリシア州やアストゥリアス州、バスク州もまた、スペインでサーフィンを実践するのにおすすめの場所です。多くのサーフィンスクールやサーフショップが、波に乗るために必要なすべての道具を数時間レンタルするサービスを提供しているほか、子供から大人まで楽しめるサーフキャンプ(宿泊施設と講習を含む)を夏季に限らず実施しています。これらの、サーフィンの長い伝統をもつ目的地で勢いを増しつつある別の選択肢といえば、身体の不自由な人に完全に適応したサーフィン教室です。このスポーツは健康維持に大きく貢献するうえ、なによりも海と触れ合えることが人気の理由です。

  • SUPボードの上でヨガをしている一団

    サップヨガを通じて地中海で瞑想する

    さて、ブルー・ツーリズムが促進するものといえば「持続可能な開発」ですが、その「持続可能な開発」の価値の重要性について熟考するのに最適なプランをご紹介することこそ、今回の記事を締めくくるのにふさわしいかと思われます。海の真ん中で、またはビーチの波打ち際で、パドルサーフィンのボードに乗りながらそうした瞑想を行っている姿を想像してみてください。聞こえてくるのは波の音や鳥のさえずりだけです。スペインのビーチでは、ヨガやピラティスをパドルサーフィンと組み合わせたクラスを受講できる場所が増えています。このサップヨガは海辺ならではの静寂を味わえるエクスペリエンスであり、特にコスタ・ブランカ(アリカンテ県)とバレアレス諸島で盛んに行われています。ターコイズブルーをした地中海ならではの、穏やかな自然の賜物です。