スペイン北部にあるサステナブルな目的地への車旅
スペインまで小旅行に行きたいけれど、飛行機には乗りたくない?環境の保全や文化財の保存にとりわけ注力している場所を訪れてみたい?そのような方のために、ここではスペイン北部にあるいくつかの地域をおすすめします。いずれも車で到達できるスポットで、現地では自然の中に溶け込むことができます。国際的な認証団体「グリーン・デスティネーションズ」によると、ご紹介する地域はすべて、世界最高峰のサステナブルな旅行目的地とされています。
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テラス・ダ・レブラ(カタルーニャ州)
ユネスコの生物圏保護区に登録されているこの地域は、スペイン最大の流量を誇るエブロ川の河口に位置しており、タラゴナ県でも有数の美しいエリアです。30キロメートルあまりの距離のなかで、二つの異なる生態系を擁する二つの自然公園を見つけられる場所など、世界でもほとんど例がないでしょう。二つの異なる生態系とは、エブロ川デルタ地帯自然公園とエルス・ポルツ自然公園内の雄大な山脈のことを指します。ちなみに、エルス・ポルツはバードウォッチングに最適なスポットです。140キロメートルを超える海岸線に沿って、マルケサ・ビーチを散策しながらファンガル灯台まで行くと、エブロ川デルタ地帯の砂丘に沈む夕日を眺めることができます。ここが特別な場所である理由は、日常を忘れられるようなプランがほかにも数多く用意されていることにあります。たとえば、リャグットと呼ばれる伝統的な船に乗って川を周遊することも、トゥルトーザのような町を訪れたり、テンプル騎士団の痕跡を残すミラベット村やミラベット城といった美しい村を訪問したりすることも、ウルダコーナの洞窟画を鑑賞することもできます。グルメを堪能することが目的の場合は、アル・ピネル・ダ・ブライにあるワインの大聖堂など、テーラ・アルタの原産地呼称に認定されているワインをテイスティングできるワイナリーを見学したり、ミシュランの星を獲得している地元レストランに足を運んだりしてみましょう。ウルダコーナにある「ランティック・モリー」やシェルタにあるホテル「ビジャ・レティーロ」は、そうしたレストランの代表格です。
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アル・バルガダー(カタルーニャ州)
この地域はカタルーニャのプレピレネー(ピレネー山脈の南に伸びる山岳地帯)にあり、バルセロナ市からは車でわずか1時間の距離です。見どころは?カディ=モイシャロー自然公園の一角を占めているという点です。この場所には標高が最大で2,600メートルにも達する峰が連なっており、そこでは、ノロジカ、ヒゲワシ、ワシなどを観察することができます。アル・バルガダーには一連のハイキングコースやサイクリングロードが整備されており、その総延長は2,000キロメートルにもおよびます。また、この地域を縦断する長距離ルートも何本も存在します。その一例が、カミー・ダルス・ボンス・オマス(中世にカタリ派がフランス南部から逃れるために利用したルートの一部)やカバルス・ダル・ベント(8軒の山小屋を結ぶ巡回ルート)です。最高の休暇を手に入れるための独創的なアイディアとしては、ほかにもペドラフォルカ天文センター(山に囲まれ、大都市から遠く離れたアル・バルガダーの星空はとりわけ澄みきっています)を見学したり、信じられないほど素晴らしい文化・歴史遺産に触れたりするプランがあります。興味深い博物館がいくつかあり、それぞれ、鉱業が盛んだった過去、縫製工場、人口流動に焦点を当てたものとなっています。さらには、ラ・フィア=ファイア祭りのほか、ユネスコ無形文化遺産に登録されているベルガ市のラ・パトゥム祭りなど、何世紀もの昔から受け継がれている祭りも開催されます。もちろん、チーズやジャムといった地元の名産品も味わいましょう。
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パジャールス・ジュッサー(カタルーニャ州)
カタルーニャのピレネー山脈の奥深くにあり、リェイダ県に属するこの地域には、農業が盛んな平地にはじまり、広大な森、高山、湖、貯水池にいたるまで、いろいろなものがそろっています。持続可能な観光に対するこの町の期待は、数多くの戦略に投影されており、旅行者を楽しませてくれます。なかでも特別なイニシアティブのひとつが「湖の列車」です。このコースでは、歴史あるパノラマ列車に乗ってリェイダの地を駆け抜け、プレピレネーを象徴する湖群へと向かいます。また、アル・シンケー・リャックのガイド付きルートを徒歩でたどることもできます。このルートは巡回コースになっており、ラ・ポブラ・ダ・セグールを起点に、7日間をかけて絶景を目の当たりにしたり、田舎の環境特有の静寂を満喫したり、美味しいご当地グルメに舌鼓を打ったりすることができます。加えて、さらに多くの選択肢が用意されています。ウリジェンス・ジオパーク(恐竜の化石が数多く発見されている場所)やモンツェック天文公園を訪問できるほか、バイ・フォスカにあるロープウェイに乗って標高2,000メートルを超える地点まで上り、アイグエストルタス・イ・エスタニ・デ・サン・マウリシ国立公園内のハイキングルートを歩き始めることもできるのです。夏にお越しの際は、無形遺産に指定されている夏至の火祭りは必見です。
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トロエージャ・ダ・モングリー=ラスタルティット(カタルーニャ州)
この目的地は、バイシュ・エンプルダー=コスタ・ブラバと呼ばれる地域(ジローナ県)に位置しています。この地まで足を延ばす場合には、モングリー・メダス諸島・バイシュテル自然公園を訪れ、園内に伸びるさまざまなハイキングコースやサイクリングロードを利用しながら、サステナブルな方法で公園を満喫することをおすすめします。長距離コースも存在します。なかでも「ピリネクスス」という名の緑の道はピレネー山脈まで到達し、テル川の流れに沿ったルートは200キロメートルの長さを誇っています。ダイビングの愛好家なら、メダス諸島の海に潜る経験はきっとお気に召すはずです。というのも、地中海西部有数の貴重な海洋生物保護区を有しているからです。同様に、この地域の遺産や文化イベントも引けを取ってはいません。旅の予定には、有名なモングリー城への訪問や美術館巡りのほか、トロエージャ音楽フェスティバルやラスタルティット・ジャズフェスティバルといった音楽祭で行われるコンサートへの参加も書き加えておきましょう。
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ノハ(カンタブリア州)
この自治体は、サンタンデール市とビルバオ市の間にあるカンタブリア海沿岸にあります。環境に対する町のコミットメントは、たとえばエコノッハ国際見本市などに反映されています。町の面積の75%はサントーニャ・ノハ・ホイエル湿地自然保護区に含まれていることをご存知でしたか?町に二つある、手入れが行き届いた見事なビーチには、粒子の細かい黄金色の砂浜が広がっており、そこで散歩をしたり海水浴をしたりすることはきっと素晴らしい経験になるでしょう。その名をリス・ビーチとトレンガンディン・ビーチといい、両方を合わせると6キロメートルの距離になります。しかも、ノハの町は湿地のおかげで何千もの渡り鳥の中継地となっているため、その様子を観察すれば心奪われてしまうはずです。このアクティビティを実行に移す際のおすすめは、「鳥の風車」という名の環境教育施設を訪れることです。また、サーフィンをしたり、貴族の館や宮殿を見つけたり、ガイド付きルートに参加して、湿地や田園、砂丘などを見て回ったりすることもできます。
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