バレンシアのファジャスの細部

バレンシア屈指の伝統をめぐるコース

バレンシア州

地中海に面したスペインの東海岸は祭りと伝統の宝庫です。バレンシア州を訪れれば、心が震えるほど感動したり、帰宅後も余韻が残るようなエクスペリエンスを味わったりすることになるでしょう。 快活なリズムを奏で、かつ多岐にわたるテーマを扱う何十もの祭りが一年を通して開催されています。そのうちのほんの一例を以下にご紹介します。

  • ファジャス

    ファジャスはおそらくもっとも有名な祭りであり、バレンシア市民はこの祭りを炎と火薬を主役にすえて盛大に祝います。聖ヨセフをたたえて行われるもので、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。毎年3月になると、バレンシアの街は「ニノット」と呼ばれる巨大な張り子の人形で埋め尽くされます。人形のテーマは多岐にわたるものの、背後に共通しているのは風刺です。祭りの締めくくりに行われるクレマーでは、こうした人形すべてを燃やします。花火や爆竹のほか、歓声や彩りで包まれます。

  • バレンシア州カステジョン県カステジョン・デ・ラ・プラナの「ガイアタス」のパレードの様子

    マグダレーナ祭

    バレンシア州の北方に位置するカステジョン・デ・ラ・プラナでは、春の訪れとともにマグダレーナ祭が開催されます。15世紀までさかのぼるこの祭りは、カステジョン市の起源を祝うものです。大衆巡礼をとおしてマグダラの聖マリアをたたえます。「ガイアタス」(小さな瓦や柄の曲がった杖に色とりどりのイルミネーションを施したもの)のパレードをはじめ、グルメ、花火や爆竹、通りでの生演奏などを1週間にわたって楽しむことができるでしょう。 

  • バレンシア州アリカンテ県アルコイのイスラム教徒とキリスト教徒の祭りにおける隊列の細部

    イスラム教徒とキリスト教徒の祭り

    イスラム教徒とキリスト教徒の祭りは、とりわけバレンシア県とアリカンテ県に深く根付いている伝統です。なかでも国際的な知名度がもっとも高いのは、アルコイで行われるイスラム教徒とキリスト教徒の祭りです。この歴史ある祝典では、レコンキスタ時代、すなわちイベリア半島を奪回する目的でキリスト教徒がイスラム勢力と戦火を交えた時代の戦いが再現されます。開催される場所により祭りの趣は異なりますが、いずれも音楽、火薬、そして色鮮やかな衣装であふれているという点では共通しています。見応え十分です。 

  • バレンシア州バレンシア県レケーナにて、ぶどうの収穫祭のパレードを進む山車の細部

    ぶどうの収穫祭

    夏の終わりと同時にぶどうの収穫が始まると、レケーナのような町ではこの作業に最大限の敬意を払うことになっています。ワインとグルメの見本市ではワインを堪能することができるうえ、ぶどうの足踏みを目の前で見ることさえできるでしょう。乾杯するための優れた口実となることは間違いありません。 

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