大聖堂を望むパルマ・デ・マヨルカのビーチ

スペインの都市型ビーチ:街から出ずに太陽と海を満喫

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スペインの都市を訪れるのと同時に、砂浜を歩いたり海水浴を楽しんだりもしたい、とは思いませんか?大丈夫。スペインには、ハンモックやレストラン、スポーツ施設などを完備した都市型ビーチがいくつもあります。しかも、その多くであらゆる種類のマリンアクティビティが用意されているため、1分たりとも退屈する暇がありません。こうしたビーチは快適で街へも近いため、お子様連れでご旅行中の方や、海から上がった直後でも主要な観光アトラクションから数分の場所にいる、ということをお望みの方に最適です。スペインの各沿岸地域につき1か所のビーチをおすすめしていきますが、リストはこれよりもっと長くなる可能性があります。ですから、街の明かりに飽きてしまったら、中心街から目と鼻の先にある小さな楽園に行けば、水着とサングラスを身につけることができるでしょう。まさに最高のQOLです。

  • ア・コルーニャにあるリアソール・ビーチ

    ア・コルーニャ市のリアソール・ビーチ

    スペイン北西部にあるガリシア州、中でもア・コルーニャ県の大西洋からスタートしましょう。リアソール・ビーチの濃厚な青色、塩の匂い、穏やかな雰囲気、そして冬季特有の波は、あまりにも街に溶け込んでいるため、このビーチなしではア・コルーニャはア・コルーニャではなくなってしまうでしょう。この場所を訪れれば、リアソール・ビーチがオルサン・ビーチとマタデロ・ビーチと一体化し、海に向かって開く貝殻のような様相を呈しているのがわかります。こうしたビーチが作り出す形は、この地域のどの屋上からでも見ることができるうえ、特に夕暮れ時の姿は素晴らしいものがあります。そしてビーチに繰り出せば、サーフィンやセーリングなどのウォータースポーツを楽しむことができます。ア・コルーニャで体験できる最も美しいエクスペリエンスのひとつは、13キロメートル続く海浜散歩道(ヨーロッパ有数の長さを誇る遊歩道です)に沿って歩き、フィニステラエ水族館や、かの有名なヘラクレスの塔まで行くことです。途中、散歩道の一部では、芸術家フリア・アレスが深紅色に彩りエナメル加工を施した街灯が飾られているのが目に入るでしょう。リアソール・ビーチとオルサン・ビーチにはキオスクやテラス付きのレストランがあり、ガリシアの美味しい魚介類を味わうことができるので覚えておきましょう。また、夏にはスポーツ大会やコンサートが開催されるほか、6月23日の夜には有名な「サン・フアンの火祭り」が行われます。

  • ヒホンにあるサン・ロレンソ・ビーチ

    ヒホン市のサン・ロレンソ・ビーチ

    スペイン北部の海岸に沿って進むとカンタブリア海に到達します。ここはアストゥリアス州、具体的にはヒホン市です。湾の中央を占め、1,500メートルにわたって伸びる有名なサン・ロレンソ・ビーチは、アストゥリアス州でも屈指の知名度を誇る海岸で、そこには黄金色をしたきめ細かい砂浜が広がっています。その美しさ、とりわけ快適さにいたってはきっと満足していただけるはずです。何しろ、パラソル、ハンモック、ヨットクラブなどが完備されているのですから。およそ3キロメートルある海浜散歩道に沿って地平線を眺めながら歩くことは、どの季節であれ経験してみる価値があります。散歩道は別のビーチに到達するまで続き、そこには常に活気があふれています。サン・ペドロ教会から歩き始め、その後、最も立派な入り口である「ラ・エスカレロナ」の大階段からビーチにアクセスすることができます。スポーツを楽しみたいという方もいるでしょう。サーフィン、ウインドサーフィン、カヤック、ビーチサッカー、ビーチバレーなどに挑戦してみてください。

  • サンタンデールにあるエル・サルディネロ・ビーチ

    サンタンデール市のエル・サルディネロ・ビーチ

    次はカンタブリア州の番です。「世界で最も美しい湾」が集まるクラブに所属するサンタンデール湾を取り上げます。中でも、市の施設の一部と化しているビーチまで出かけましょう。それが、エル・サルディネロです。実際、エル・サルディネロには2つのビーチがあります。それが第1ビーチ第2ビーチ(1キロメートルあり、第1ビーチよりも長い)で、干潮時にはラ・コンチャ・ビーチとつながります。エル・サルディネロとは現に、サンタンデールのマグダレーナ半島とカボ・マヨール灯台に挟まれた地区のことを指しています。この辺りを散策するのは楽しいこと請け合いです。その起源は19世紀にまでさかのぼるため、グラン・ホテル・サルディネロやグラン・カジノといった格調高い建物が数多くあります。また、まるで海に流れ込んでいるように見える魅力的なピキオ庭園もあります。美しく賑わいのある海浜散歩道を歩いた後、ビーチに下りていくと、黄金色をしたきめ細かい砂浜と無数のサービスが用意されており、おかげで非常に充実した一日を過ごすことができるでしょう。このビーチにまつわる不思議な話を知りたくはありませんか?エル・サルディネロの第1ビーチを選んで海水浴をする場合、それは、貴族たちがかつて「波の海水浴」という名の行事を楽しむために集っていたビーチにいることになるのです。一方、エル・サルディネロの第2ビーチは庶民専用とされ、現在その周辺には子ども用の遊具を備えたエリアやさまざまなレストランがあります。

  • ドノスティア=サン・セバスティアンにあるラ・コンチャ・ビーチ

    ドノスティア=サン・セバスティアン市のラ・コンチャ・ビーチ

    思わずため息が出るようなこの街は、バスク州(具体的にはギプスコア県)に位置しています。ドノスティア=サン・セバスティアンはたいへん美しい街で、そのラ・コンチャ・ビーチは誰もが訪れたいと願うシンボルです。ヨーロッパで最も優れた都市型ビーチのひとつとされ、市庁舎とエル・ピコ・デル・ロロの間に広がっています。海浜散歩道を歩きながら、象徴的な白い手すりと一緒に写真に収まったり、サン・セバスティアンのベル・エポック期の面影を残す海水療法センター「ラ・ペルラ」の周辺まで行ってみたりしましょう。約6キロメートル続く街路を、ヌエボ通りとスリオラ・ビーチに沿って歩くうちに、ウルグル山をぐるりと一周することになります。ラ・コンチャ・ビーチの黄金色をしたきめ細かい砂浜に寝転んだり、ウォータースポーツを楽しんだりしていると、サンタ・クララ島がきっと目に飛び込んでくるはずです。湾の真ん中に浮かぶ島で、風景にさらなる魅力を与えています。この島には、潮の満ち引きに応じて現れたり消えたりする小さなビーチがあるのをご存知でしたか?ここで最後のアドバイスを。夕暮れの薄暗い光に照らされているラ・コンチャを見ないままここを去るわけにはいきません。忘れられないひとときになるでしょう。

  • バルセロナにあるバルセロネタ・ビーチ

    バルセロナ市のバルセロネタ・ビーチ

    水の流れに身をまかせるうちに、今度は地中海へとたどり着きます。バルセロナ市(カタルーニャ州)で最も有名なビーチ、バルセロネタについてお話ししましょう。その名は古い漁業地区に由来するものですが、バルセロナの人々は今もなお、魚介類料理を味わうためにこの場所に足を運んでいます。子ども用の遊び場をはじめ、ハンモック、パラソル、飲み物やアイスクリームを売るキオスク、レストランがあり、フィットネスをしたり、ビーチバレー・卓球・タカタ(バルセロナの典型的なスポーツ)をプレーしたりするための専用エリアなども設けられています。このビーチにはお探しのものがすべて揃っているうえ、海に飛び込んでサーフィンやパドルサーフィンなどを楽しむこともできます。ビーチ周辺を探索したいなら、ポルト・ベルとラ・ランブラ・デ・マールに沿って散歩したり、バルセロナ水族館(特にお子様連れの場合)、パラウ・デ・マールの建物、またはビーチのちょうど反対側にあるオリンピック港を訪れたりするのが一番です。また、海水浴のほかにも何らかのアクティビティを楽しみたいという方は、漁師組合が主催するガイドツアーに参加すれば、バルセロネタの漁師の歴史を学ぶことができます。一方、「ツバメ」と呼ばれる典型的な船に乗り、ワイングラスを片手にこの街の沿岸を回ることもできます。行ってみたくなりませんか。

  • バレンシアにあるマルバロサ・ビーチ

    バレンシア市のマルバロサ・ビーチ

    スペイン東部には、同じく地中海に面してバレンシア市(バレンシア州)があり、そこには卓越した都市型ビーチであるマルバロサがあります。その名の由来は何でしょう?19世紀、フェリックス・ロビジャルドという庭師が海沿いの土地を購入し、そこを植物で埋め尽くしたのですが、その中に「マルバ=ロサ」と呼ばれるゼラニウムがあったためです。このビーチは今日、隣接するエル・カバニャルのビーチ同様、一年中いつでも散歩や日光浴を楽しめる場所となっています。というのも、バレンシアの気候はほとんどの場合において穏やかで、水温も快適に感じられるからです。さまざまなマリンスポーツを楽しめるのはもちろんのこと、海浜散歩道に設けられた自転車専用レーンをサイクリングしたり、ビーチに面した小さな図書館やエクササイズエリアを見つけたりすることもできます。加えて、散歩道にはさまざまなレストランが軒を連ねています。米料理専門店を予約して、海を眺めながらパエリアを食べるという体験をしてみるのはいかがでしょう?そしてもちろん、この場所に差し込む特別な光もお見逃しなく。ソローリャのような芸術家が手がけた美しい名作絵画に影響を与えた光なのですから。

  • アギラスにあるポニエンテ・ビーチ

    アギラス市のポニエンテ・ビーチ

    ムルシア州では、カルタヘナやマサロンといった街にある都市型ビーチをいくつか挙げることができるものの、今回はコスタ・カリダの中央に位置するアギラス市のポニエンテ・ビーチをおすすめします。その全長は1キロメートルを超え、市街地に隣接しているうえ、細かい砂と砂利が敷き詰められています。半月形をしており、カシーカ・ベルデ・ビーチまで伸びていることがわかります。子ども用の遊び場があることに加え、ヤシの木が立ち並び、ドリンクを楽しめるテラス席まである気持ちのいい遊歩道が設けられているため、家族連れで楽しい一日を過ごすには理想的なビーチです。遠くの高台にはサン・フアン・デ・ラス・アギラス城のシルエットが見えるでしょう。海水浴の後に気が向いたら、城まで行って見学することもできます。

  • カディスにあるラ・ビクトリア・ビーチ

    カディス市のラ・ビクトリア・ビーチ

    アンダルシア州の西部では、カディス県のこの一角をご紹介しましょう。スペイン南部特有の、細かい砂をたたえた何キロメートルも続くビーチをお探しですか?それなら、最適な場所はこちらです。3キロメートルほどの長さのラ・ビクトリアは、カディス市内にある並外れた砂浜で、一人でも、カップルでも、お子様連れでも、友人同士でも、これ以上なく充実した一日を過ごすのにぴったりの場所です。 街のたもとで日光浴をしながらリラックスしたり、ビーチバレーなどのスポーツを楽しんだり、子供たちを遊び場に連れて行ったり…。ランチタイムには、いくつものレストランに加えて素晴らしい屋台があることから、小エビの薄いかき揚げといった地元名物のタパスを味わうのに最適です。 サイクリングやローラーブレードをしたいですか?ここならそれも可能です。そして夜になったら、特に夏にはテラス席やディスコで一杯やるのもいいでしょう。 このビーチの最たる魅力のひとつといえば、カディス歴史地区の建物の向こう側に浮かぶ大聖堂のシルエットを眺めることができる点です。しかも、方角の関係で、ここからは映画のワンシーンのような夕暮れを堪能することができます。夏に屋外で行われるコンサートや映画上映などのイベントに出くわしても驚かないでください。これはよくある光景なのです。 ちなみに、アンダルシア州はスペインで2番目に大きな自治州であることから、この都市型ビーチのほかにも、たとえばマラガ市のラ・マラゲタ・ビーチなど、数多くのビーチがあります。

  • パルマ・デ・マヨルカにあるパルマ・ビーチ

    パルマ・デ・マヨルカ市のパルマ・ビーチ

    バレアレス諸島最大の島であるマヨルカ島では、その中心都市のほど近くに広がる、地中海特有のターコイズブルー色をした海で海水浴が楽しめます。その中心都市というのがパルマ・デ・マヨルカです。パルマ・ビーチは、正確には街から一番近いビーチというわけではありませんが(およそ10キロメートル離れています)、都市型ビーチと見なされており、そこまで足を運び、5キロメートル近くの長さがある砂浜を満喫するだけの価値はあるといえます。車だけでなく、レイナ広場から出ている15番と25番のバスを利用しても簡単に行くことができます。このビーチはカン・パスティージャからサレナルまで伸びており、その全域にわたってホテルや各国料理のレストラン、地中海料理のレストランが軒を連ねているため、とても快適な滞在となることでしょう。お子様連れのご旅行の場合はパルマ水族館かアクアパークに行くのがよいでしょう。パルマ水族館は、8,000を超える数の生き物を擁する海洋公園です。ウォータースポーツをする際は、スタンドアップパドルサーフィンウインドサーフィン、サーフィン、カイトサーフィン、カヤックなどをサポートしてくれる施設がいくつかあります。充実したナイトライフをお探しの方もまた、このビーチにあるいくつかの店やディスコで楽しみを手に入れることができるでしょう。 

  • ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア市のラス・カンテラス・ビーチ

    グラン・カナリア島(カナリア諸島州)の北東部においては、再び大西洋に目を向け、この都市自慢のビーチを取り上げることにします。レストランやカフェ、自家製アイスクリームの店がひしめく活気ある通りを散歩するだけで、年間365日を通して途絶えることのないその雰囲気を味わうことができます。そして何より、気温がほぼ一年中穏やかであることが最大の魅力です。  冬に、日差しが顔を温めてくれる中で海水浴をするのはいかがでしょう?3キロメートル以上あるラス・カンテラスのビーチはさまざまなエリアに分かれています。最南端のエリア(ラ・シセルと呼ばれている)は若者が最も多く集まる場所で、サーフィンやボディボードが盛んです。そのすぐ隣にはアルフレド・クラウス音楽堂があります。続いて、ペニャ・デ・ラ・ビエハとチカ・ビーチのエリアがありますが、こちらには「ラ・バーラ」と呼ばれる火山岩の障壁があり、波が強くなるのを防いでくれるため、家族連れの旅行には最適です。最後に、グランデ・ビーチとラ・プンティージャがあります。ラ・プンティージャは目の前に「ラ・バーラ」があり、パドルサーフィンを始めるのに理想的な一種の自然のプールを形成しているため、どこよりも保護されているエリアです。ここでは、信じられないほど素晴らしい砂の彫刻を目にしたり、開催されるコンサートに参加したりすることができるでしょう。できることなら、シュノーケリングをせずにラス・カンテラスを去るのは避けたいところです。この海域に生息する海洋生物にはきっと感動を覚えることになるでしょう。オヤビッチャ、ブダイ、サレマなどの魚に出会う準備をしましょう。海路でこの町に入る場合、クルーズターミナルからビーチまではわずか数ブロックしかありません。ビーチ訪問を妨げるものは何もありません!ちなみに、カナリア諸島のほかの島々にも立派な都市型ビーチがあり、その一例がテネリフェ島のラス・テレシタス・ビーチです。

締めくくりとして、アフリカ北部に位置する自治都市セウタとメリージャも忘れるわけにはいきません。ここにも、ラ・リベラ・ビーチ(セウタ)やイポドロモ・ビーチ(メリージャ)といった都市型ビーチがあります。ひと泳ぎしてみてはいかがですか?

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