この太鼓は、行列の時だけでなく、一日中、104時間にわたって町に鳴り響きます。聖金曜日は、トバラのこの祭典の中で最も崇高な瞬間であり、ゴルゴタの丘の上で磔にされたキリストが何千人もの人々に祝福を与えます。この瞬間、すべての太鼓が鳴り始めます。その後、トバラの聖週間の重要な行事に伴う、物悲しく激しい音楽「メクトゥブ」が演奏されます。
聖週間は、スペインで祝われる祭りの中で最も深く根付いているもののひとつです。この祝典は何世紀もの歴史と伝統の上に成り立ち、そのなかでイエス・キリストの情熱と死を思い起こすのです。スペインの多くの街や村々の街角は熱情と宗教献身の舞台となります。宗教行列の音楽、芸術、色彩と魔術とともにキリストの死を思う哀悼と黙想が合い混じって、多くの群集が宗教的な像を先頭とする厳かな行列に続きます。