ヌリア・プラ家博物館

バルセロナにあるこの建物は、カタルーニャ州で女性として初めて医学部を卒業した人物らの一人であったヌリア・プラの研究室であり自宅でもあった場所です。彼女はまた、16世紀から18世紀にかけてのスペインの家具や鏡、彫刻、織物の収集にも熱心に取り組んだ人物でした。本館の卓越した常設展示では、スペインのバロック様式とルネッサンス様式のものを中心に、800点を超えるオリジナルの家具が展示されています。

医学研究や実業家としての活動以外にも、ヌリア・プラ・モンセニが情熱を注いでいたものがあります。それが芸術です。芸術への情熱ゆえに、彼女は生涯を通じて、今では世界で唯一のコレクションと考えられている膨大な数の家具を収集することになります。とはいえ、芸術品の収集はプラが見せたさまざまな側面のうちのひとつにすぎません。彼女は、結核の研究に生涯を捧げた高名な医師ラモン・プラ・アルメンゴルの娘であり、また1923年には、ビジネスパートナーであるホアキン・ラベジャットとの共同研究室を現在では家博物館となっている場所に開室しました。ラモン・プラが亡命せざるをえなくなったときも、娘のヌリアは、「ラベジャット＝プラ研究所」と呼ばれていたこの研究室の責任者を務め続けました。研究室は今もこの家の中にあり、見学することができます。バルセロナの中心部にあるこの一角では、家具はもちろんのこと、それを収容している立派な建物もひときわ目を引きます。19世紀に建てられたこの古いマシア（農家）の周囲には3ヘクタールに及ぶ庭園が広がっています。建築的な要素も装飾的な要素も、すべてが当時のままの姿で残されています。