ラス・ベンターナス洞窟

後期旧石器時代から現在に至るまで人間が使用し、天然記念物と重要文化財にも指定されているこの洞窟は、洞穴が観光に上手く適応した好例と言えます。

スペインでは数少ない、建築上の障壁がない観光用の洞窟である点が特徴です。1,200メートルある全長のうち、洞穴の上階に伸びる最初の500メートルが観光用の見学ルートになっています。ルートには小道や通路が敷かれており、熟練ガイドの手を借りながらそれに沿って進むと、先史時代の居住地のさまざまな複製を通して、ハイエナの巣窟から新石器時代の埋葬跡に至るまでを見学することができます。洞窟には「がけ崩れの空間」「水盤の空間」「柱の空間」といったいくつかの空間があります。それぞれの空間では、雨裂や深淵のほか、流れ石、縁辺石、石柱、石筍、鍾乳石、岩でできた気まぐれな自然のアーチなど、美しい形成物を鑑賞することができます。洞窟の下階にある空間の一部は最近になって舞台へと改装され、年間を通してさまざまなコンサートやパフォーマンスが開催されています。