メインコンテンツへスキップ
オレンジの花

南部

南部は、こんなふうに感じられます。

ふいに漂ってくる香りを通して。街を満たす音を通して。すべてを包み込む光を通して。 そう、南部には特別な空気感があるのです。

トリアナのオレンジの花

春の初めに目を閉じて歩けば、甘い柑橘系の香りにすっかり導かれていくようです。花を咲かせたオレンジの木々の香りを吸い込めば、セビリアのトリアナ地区にあるサンタ・アナ小広場の魅力を感じ取ることができます。

クローズアップには、開いたばかりの白いオレンジの花が数輪写っている

サンタ・クルス地区

夕暮れ時にこの細い路地を歩くと、壁そのものがリズムを刻んでいるかのようです。格子窓からギターと手拍子の響きが漏れ聞こえ、セビリアのサンタ・クルス地区の中心を歩くひとときが、フラメンコの生のリハーサルのように感じられます。

狭く曲がりくねった石畳の通りが、伝統的なアンダルシア様式のファサードに囲まれている

セビリアのスペイン広場

スペイン広場のタイルに手を滑らせると、冷たくて艶のある、歴史の凹凸をたどるような感覚を味わえます。セビリアのこの壮麗な空間では、一つ一つの曲線やくぼみ、磨かれた表面が、触覚を通して物語を伝えてきます。

レンガ造りの壁の前にはベンチが一列に並び、その間を尖塔飾りのある小柱が区切っている

トリアナ橋のチュロス

夜明けのトリアナ橋を歩けば、カレンティトスのカリッとした食感を味わう準備が整います。揚げた生地の香ばしさと濃厚なホットチョコレートが溶け合う味わいが、セビリアの一日の本格的な始まりを告げます。

クローズアップには、溝が入り、砂糖をまぶしたチュロスが写っている

マラガのパセオ・デル・パルケ

パセオ・デル・パルケの鬱蒼とした木々の下を歩けば、アスファルトの街を離れ、植物の湿気に満ちた空気を肺いっぱいに吸い込むことができます。緑の樹液と湿った土の香りを含んだ空気が突然変わり、マラガの中心部にいながら、熱帯の森に入ったようなひと息つける空間を感じます。

そびえ立つヤシの木々の間を、陽光に照らされた広い歩道が延びている

ペドレガレホのエスペト

焼きたてのエスペトを手で食べると、唇に触れる粗塩のざらつき、火で香ばしく焼けた皮のカリッとした食感、そしてほろりと崩れるジューシーな身という、絶妙なコントラストを味わえます。マラガのペドレガレホにある海辺の食堂で味わう、まさに漁師町ならではの体験です。

身のしっかりした銀色のイワシ6尾を細い葦の串に刺し、オレンジ色の炎が揺らめく炭火で焼いている

花の小径

ユダヤ人街の細い路地へ分け入ると、花のニュアンスを帯びたそよ風に導かれていくように感じられます。暖かな空気に漂う甘く青々しい香りが、コルドバを象徴する「花の小径」を目に見えない形で包み込んでいるのを感じます。

日光を浴びた白い壁をキャンバスに、コバルトブルーの植木鉢が何十個も並んでいる

コルドバの革工芸

打ち出し加工を施したばかりの革に刻まれた、幾何学模様や花模様の凹凸を指でなぞると、何世紀にもわたる伝統を感じることができます。コルドバ市営スークの工房では、温かみのあるしっかりとした革の手触りが、職人ののみによって命を吹き込まれます。

真鍮製ののみをしっかりと握り、赤みがかった革に押し当てている手

コルドバのメスキータ

広大な身廊に足を踏み入れると、絶え間なく聞こえていた外の喧騒が遠ざかり、静寂が存在感を増していくのを感じます。コルドバのメスキータに果てしなく続く二重アーチの下を歩くと、足音がふっと柔らかくなります。

赤みを帯びた床の上に、太い石柱が幾何学的な森のように広がっている

カルセル・バハ通り

大聖堂近くの細い路地を歩くと、空気に漂うクミン、シナモン、サフランの濃厚な香りに包まれます。グラナダ中心部のカルセル・バハ通りを歩けば、アル=アンダルス時代へといざなわれるような香りの体験ができます。

いくつもの土製の鉢に、挽いた香辛料や乾燥ハーブが小さな山のように盛られている

カルロス5世宮殿

カルロス5世宮殿の中庭のちょうど中央に立つと、足音や小さな話し声が完璧な円を描くように広がり、深い反響となって戻ってくるのを感じます。まるでグラナダ州のアルハンブラ宮殿で、建物の石そのものが呼吸しているかのようです。

見上げる構図で、カルロス5世宮殿のルネサンス様式の中庭が描く、巨大な円形の開口部を通して、白い雲が浮かぶ青空が切り取られている

タビラ塔

高い場所まで上り、街の喧騒が消えていくのに身を任せると、それまでとは違う音の風景が現れます。通りのざわめきが静まり、代わってカディスの屋根の上を飛ぶカモメの鳴き声と、絶え間なく吹く風の音が主役になるのを感じます。

直線的な造形の高い白い塔を見上げた構図

小エビのトルティジータ

出来たての小エビのトルティジータを口にすると、黄金色に揚がった網のように薄い生地が口の中で弾けます。カリッとして塩気があり、海そのものを思わせる味わいのひと口。カディスのテラス席の雰囲気が凝縮されています。

細い青の縁取りがある白い皿に、レースのように薄い黄金色のトルティジータが2枚のっている

ドニャーナ

湿地の近くを歩くと、この風景を形作っているのは水と泥だけでなく、音でもあることに気づきます。ウエルバ県のドニャーナ国立公園へ分け入ると、羽ばたきの音とさまざまな鳥の鳴き声が交錯し、周囲をすっかり包み込むのが聞こえます。

淡い色の羽毛にピンク色を帯びた大きなフラミンゴが、水面をゆっくりと進んでいる

ハエンの歴史地区

歴史地区の石畳の坂道を歩いていると、風に乗って搾ったオリーブの濃厚な香りが漂ってきます。山から下りてきて、ハエンの街並みの間に漂う深い香りです。

ハエン大聖堂の堂々たるルネサンス様式の塔が、テラコッタ色の屋根が一面に広がる街並みの上にそびえ立っている

アルメリア海岸遊歩道

海岸沿いを歩けば、この土地の気候の特徴を肌で感じることができます。湿り気を帯びた涼しいそよ風が腕をなでたかと思えば、突然、乾いた焼けつくような突風に全身を包まれることもあります。アルメリア海岸遊歩道では、この二つの風が絶えずせめぎ合っています。

濃いオレンジ色の夕空を背景に、何本もの背の高いヤシの木が逆光のシルエットとなって浮かび上がっている

サン・フェルナンドの地下道

サン・フェルナンドの地下通路に入ると、打ち寄せる波の音や地上の喧騒が遠のきます。岩盤の中へと下っていくと、メリージャの地下深くに宿る、包み込むような濃密な静けさの中で、外の騒音が消えていくのを感じます。

黄金色の石でできた堅固な城壁が、ターコイズブルーの海をたたえた入り江へと垂直に落ち込む、険しい崖の上にそびえている

北アフリカ風ミントティー

温かい北アフリカ風ミントティーを一杯味わえば、一口ごとに文化の融合を感じることができます。濃厚な甘みとミントの爽やかさが食文化を結ぶ見事な架け橋となっており、セウタの歴史地区にあるどのティールームでも、その味わいを楽しめます。

濃い琥珀色のお茶と新鮮なミントの葉をたっぷりたたえた透明なグラス

カジノのアラブ様式の中庭

アラブ様式の中庭の壁を両手でなぞると、見た目を裏切る凹凸に気づきます。彫刻された漆喰のように見えても、指先で触れると、歴史を感じさせる冷たく精緻な質感が伝わってきます。ムルシアの中心部にひっそりと隠された、感覚に訴える体験です。

青や赤みを帯びた背景の上で、金色のアラビア文字によるカリグラフィーと植物文様が絡み合う、精緻な漆喰装飾のクローズアップ

カフェ・アシアティコ

カフェ・アシアティコを両手で持つと、伝統のレシピがグラスの凹凸として形になっていることに気づきます。ムルシア州カルタヘナの街中で、多面カットのグラスに触れると、その面を指でなぞりながら、コンデンスミルク、リキュール、コーヒーの正確な配分を感じ取ることができます。

手前の白い皿の上には、幾層にも分かれた飲み物の入った厚手のグラスが置かれ、ひときわ目を引く

フロリダブランカ庭園

夕暮れ時に庭園を歩くと、ジャスミンの濃厚な香りに包まれます。ムルシア中心部のフロリダブランカ庭園にある古くからの並木道を歩いていると、濃く甘い花の香りが暖かな空気を満たしているのを感じます。

繊細な花びらを開いた白いジャスミンの花房が、緑の葉に映える

カルタヘナのARQVA博物館

水中考古学博物館で触れることのできる展示品を指先でなぞるのは、肌で歴史を読み解くような体験です。金属の冷たさや、塩によって侵食されたざらつきに触れると、ムルシア州カルタヘナで起きた過去の難破とのつながりを身近に感じられます。

手前には縁が不規則な古代の硬貨が山積みになっている

ベロニカス市場

魚卵やモハマをひとかけ味わえば、海の風味が一気に口いっぱいに広がります。周囲の湿気が魚の塩味と熟成した風味を引き立て、ムルシアのベロニカス市場で味わう塩蔵魚介を、奥深い味わい体験にしています。

レンガの質感を生かした堂々たるモダニズム様式のファサードが、大きな中央アーチを備えてそびえている