
「ソローリャ。描画の旅」は、「かの著名な『光の巨匠』の作品を、それが制作された土地に届けること」を目的とした、一風変わった展覧会プロジェクトです。プロジェクトを率いるのはソローリャ美術館およびソローリャ美術館財団です。また、これらの展覧会は、芸術家ソローリャの没後百周年を記念して行われる各種アクティビティの一環として開催されるものです。今回の展覧会は間違いなく、戸外制作に従事した偉大なスペイン人画家であり、同時に疲れを知らぬ旅行者でもあったホアキン・ソローリャに送られる、至極真っ当な賛辞だといえるでしょう。
ソローリャは、彼の描く絵画や風景を通して芸術大使の役割を果たすとともに、今日でも人々の脳裏に焼き付いているスペインのイメージを決定づける働きをしたのです。現代的な画家であり国際人でもあったソローリャは、旅行者としてのバイタリティにもあふれていたため、ブルジョワジーらの避暑地、自らが愛する地中海に沿って広がるさまざまな海岸、内陸部の田園地帯といった場所へとためらわずに出かけていきます。その結果、そうした場所特有の美しく、かつ多様な色や風景にインスピレーションを受けることになります。このようにして、パレットを使いながら独自の方法でスペインを観察し、また表現したソローリャは、自らが生きた時代——まさに現在の近代世界が誕生せんとする時期——を正確に著した年代記作家と変貌を遂げるのです。 ソローリャ百周年を記念して、「ソローリャ。描画の旅」と銘打った一連の展覧会が開催されますが、こうした展覧会はいずれも、このバレンシア出身の画家の作品を、それらが自然のままに創作された土地へと連れて行くものとなっています。サン・セバスティアン、セビージャ、トレド、マヨルカ島、バジャドリなどの目的地で、さまざまな展覧会が開催される予定です。
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