展覧会：ピカソの意志。この芸術家にインスピレーションを与えた陶磁器

バルセロナ・デザイン美術館にはピカソが制作した貴重な陶磁器が何点も収蔵されています。本展覧会はピカソが手がけた一連の陶磁器を高く評価する内容となっているほか、スペインの伝統的な陶磁器がこの芸術家の作品に与えた影響についても紹介されています。「私より先にこれを実現した人がいたなんて！」。新聞報道が伝えるところによれば、1957年の春にカンヌのパレ・ミラマーで開催されたスペイン陶磁器展を鑑賞中のピカソは、こう叫んだそうです。「スペインの陶磁器、13世紀から現代まで」と題されたこの展覧会には、13世紀から19世紀にかけて作られた陶磁器が厳選のうえ展示されていました。この展覧会は芸術家ピカソの賞賛を呼び起こしただけでなく、彼が自らの作品16点をバルセロナ美術館に寄贈するきっかけにもなりました。ピカソが寄贈した作品は、現在、デザイン美術館のコレクションの一角をなしています。そうした作品が、スペインの古くて伝統的な陶磁器の一群と会話を交わしている様子を見られるのが、今回の「ピカソの意志。この芸術家にインスピレーションを与えた陶磁器」展なのです。また本展の展示物には、同美術館の作品のうち1957年にカンヌで開催された展覧会に出品されたものも含まれているほか、ピカソが行った寄贈に関連するドキュメンタリーや写真にも触れることができます。